...それでは城門を通 って庭園のなかへ入ってみよう! さてしかし、皆さんが美しい手入れの行きとどいた清潔な花の咲きみだれる庭を期待してきたのであれば、この光景は手ひどい失望を与えかねない。何という荒れはてた紛糾、何という無秩序、何という恐るべき繁み! 一面 の雑草、はびこる草に覆われて道はほとんど見分けがたい。造園のもとになった設計はほとんど昔日の面 影とてもない。ここでわたしたちの課題とは何であるのかと考えるならば、あるいはここで庭鋏に有益な仕事を果 たさせた方がいいのではないかと思いつくだろう。あるいは何はさて朽ちかけひからびたおびただしい草木と根の塊をとり除くことだと提案する人もあるだろう。 ルドルフ・ベルヌーリ(種村 季弘 訳)青土社より
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